この企画を始める前に、
いろんな人に相談をしたことがある。
それは、ツールの問題。
CG業界では、
力を合わせて大きな作品を作ろう!という話をするが、
実際に作るとなると、
ネックになる問題がある。
CG業界では、
MacとWindowsのような制作ソフトが4種類もあり、
そのツールが違うと互換性もないので
各社間でデータのやり取りが出来ない。
さらに、出来たとしても
各社のノウハウの問題があって
簡単には協力関係を結べないのだ。
実写映像でも、アニメでも、こういう壁はないのだが、
CGにはあるのだ。
だから、作品にとって、起用したいクリエーターよりも
ツールを使えるクリエーターが起用されるのが
CG業界では当たり前なのである。
とても不思議な話である。
このような日本という小さな国の
星の数ほどあるプロダクションが協力し合えないのは
業界全体にとって、あまり良いことではないように思う。
でも、それを仕方ないとあきらめる会社も多い中、
東映アニメーションの氷見プロデューサーは
その壁に疑問を抱き、同じような思想を描いていた。
希望の光を感じた。
結局、ダンデライオンさんの提案に基づき、
データを丸裸で用意し、
各社に配布することで制作している。
使い慣れていないとはいえ
将来のためには、使うしかないと思った。