世界中が戦場となった非核大戦で荒廃した世界を統合した総合管理局が運営する巨大人工都市オリュンポス。そこは『バイオロイド』と呼ばれるハイブリッドのクローン人間が運営する理想郷であり、彼らは優秀なヒトの遺伝子から作られていた。元LA市警SWAT隊員デュナン・ナッツと『ヘカトンケイル』である多機能サイボーグである相棒のブリアレオスは、そのオリュンポスにスカウトされ特殊部隊ES.W.A.T.隊員として世界警察の名の下にテロリストと戦う日々を送っていた。人類の未来をバイオロイドに委ねた『方舟計画』が進む中、オリュンポスに牙を向く『人類解放戦線』の裏にはテロリスト集団『アルゴノーツ』の英雄アル・ケイデスの影があった。だが彼は二十年前に技術国家ポセイドンの攻撃で死んだはずだった――。

○ デュナン・ナッツ

ES.W.A.T.特殊部隊の一員。2105年生まれ。荒野をブリアレオスとともにサバイバルする中、オリュンポスにスカウトされた元ロス市警S.W.A.T.隊員。
父親であるカール・ナッツはこの世界において数々の武勇伝を残す有名人であり、彼に叩き込まれた戦闘術は彼女自身を高いパフォーマンスを誇る戦闘マシーンとした。
ブリアレオスとバディを組み、作戦行動することが多く、公私共にブリアレオスに頼りすぎる一面も持ち合わせている。

○ ブリアレオス・ヘカトンケイレス

ES.W.A.T.特殊部隊の一員。2096年生まれ。恩師カール・ナッツの娘であるデュナンと行動を共にし、荒廃した世界を生き抜いてきた。
爆弾事件で全身サイボーグ化して以降、改造を重ねて現在に至る。この世界において希少な電脳ヘカトンケイルを搭載し、使いこなせる数少ないサイボーグ。その高性能な能力と、性格の慎重さで隊員からの信頼も厚い。
プライベートにおいてデュナンとは恋人同士でもあり、親友でもあるが、任務においては戦友となる関係性。

○ ランス

ES.W.A.T.の特殊部隊の隊長。家族はなく詳細は不明。内務省からの信頼も厚く、実戦経験も豊富と思われる。
特殊部隊員から見れば口うるさいオヤジであり、信頼するに値する指揮官でもある。
任務優先ではあるが、隊員一人ひとりの生存も彼の目指すところと思われるため、彼の指導する訓練はハードになることが多い。そのため死ぬより辛いとの評判である。

○ マグス

本名その他不詳。人間。 ES.W.A.T.特殊部隊のエース。過去の経歴など謎めいた部分が多い。作戦行動中も軽口を叩いたり気楽にやっているようだが、ランスや隊員たちからも厚く信頼され、敬意を払われている。
平均以上の能力を持ちながら秀でている部分はない。だが必要なときに必要な場所にいて適切な行動をとる能力がある。女好きでもある。

○ ヒカルド・リエス

ES.W.A.T.特殊部隊の一員。元アメリカDEA職員。潜入捜査の休眠期間中は戦術訓練施設で近接戦闘技術の教官を務めていた過去もある。
柔術と対プロテクター格闘術である鎧組打ちが専門で、時間があるときは同僚に格闘を伝授したがるクセがある。特にデュナンの素質を気に入っているが、デュナンにその気はないらしい。
任務においてやるべきことを確実にやる隊員である。

○ レジナルド・バクスタ

31歳。ES.W.A.T.特殊部隊の一員。任務中に左上半身に重傷を負いサイボーグ化。しばらくはES.W.A.T.訓練所内で教官をしていたが、デュナンたちが入隊する少し前に現場復帰を果たす。
昔、地中海を渡ってフランス外人部隊に所属、東アフリカを転戦中、国連平和維持軍のイギリス将校と出会い、英国軍に転籍。その後、オリュンポスのヘッドハンティングでES.W.A.T.に入隊する。
無口であり、社交的には見えないが、ブリアレオスやグリッグのようなサイボーグには親近感を持っており、ブリアレオスがデュナンと楽しそうにしている様子に心和ませる一面も持つ。

○ ジーナ(レジナ)・ガルシア

ES.W.A.T.特殊部隊の一員。かつて難民移動任務中に紛れた子供のテロリストに、左脇腹を刃物で刺され、それ以来「テロリストは殺せば増える」という考えを持つに至り、人権意識が高い。その事件で軍警察へ移動となり、そこからES.W.A.T.に引き抜かれた。主に実行部隊の中にあって後方支援につき、情報伝達を分析しランスに伝達する。
デュナンからすれば「おカタく口うるさい優等生のおねーさん」といった印象を持っているが、「無能」でも「イヤミ」でもない任務をこなせる隊員である。

○ アラン・グリッグ・デカトンケイレス

ES.W.A.T.特殊部隊の一員。サイボーグ。 エリート意識が強く、一般的に最高性能の電脳であるデカトンケイレス、最新の筋あくてゅエーター、排熱材を惜しみなく搭載した自身のパフォーマンスに最高の自信を持っている。
元々、兵器産業の御曹司で、荒れている世界を尻目にスポーツカーで疾走中の事故が原因で全身装甲サイボーグとなる。表面装甲の一部に光学処理を施してある。
誰もが使いこなせるわけでないヘカトンケイルは危険な欠陥電脳であるが、それを行使しているブリアレオスに嫉妬とも憧れともいえる複雑な気持ちを持っている。ナルシストであり、ユニセックスな言葉遣いをする。

○ アテナ

バイオロイド。オリュンポスの行政院行政総監の女傑。オリュンポスの行政における最高責任者である。警察組織も彼女の支配下となる。
オリュンポスとヒト、そしてバイオロイドの未来を常に考える。

○ ニケ

アテナの片腕であるバイオロイド。内務大臣。参長。ES.W.A.T.は彼女直属の執行機関となる。

○ ヒトミ

2074年生まれのバイオロイド。オリュンポスのメインコンピュータであるガイアと対話できるDNA情報を持った重要人物であるが、本人にその自覚はない。
デュナンやディアの暮らすアパートの家主でもある。

○ ディア

ポセイドンより派遣されたバイオロイド研究に携わる研究員。事故により体の大部分をサイボーグ化している。
デュナンと同じアパートに暮らし、デュナンにとって母親とも姉ともいえる存在になりつつある。

○ エウリス

バイオロイドの未来を担う『方舟計画』の立案者であるバイオロイド研究者。バイオロイド。

○ アル・ケイデス

20年前に死亡の確認されたテロリスト。移動要塞アルゴノーツをアジトとし、ポセイドンに対するテロ活動を行ったために、ポセイドンが空爆でアルゴノーツを活動不能とした際に、空爆に巻き込まれて死亡している。だがオリュンポスで活動する人類解放戦線のテロ行為の裏にアル・ケイデスを名乗るテロリストがいることが確認されている。

○ プロフェッサー・レオン

アル・ケイデスを支援するランドメイトの技術者。国際指名手配を受けている。